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シンガポールのWork Holiday Pass申請手順

シンガポールでインターンをするのに必須のビザの取得方法についてまとめてみたいと思います.これから説明するフローに従えば,問題なくビザを取得することができると思います.(注意点として、この記事ではわかりやすさのために、シンガポールの就労パスのことをビザと呼んでいます。)

なお,ここで紹介している情報は全て投稿時のものです.シンガポールは制度や法律がよく変わる国でビザも例外ではないのですが,とりわけここで紹介するWorking Holiday Passは,シンガポールのビザに占める割合がかなり低い&近年の外国人労働者に対するシンガポール国民の不満がたまっていることなどから,かなり頻繁に内容が変更されるビザです.ですので,実際に申請される際にはご自身で政府ホームページを確認されることを強く推奨します.

シンガポールでインターンシップをするのに必要なビザ

2018年7月現在,僕はシンガポールにある,とある日系メーカーの現地法人で技術職として約半年間のインターンシップをしています.当然,これくらいの期間シンガポールに滞在するとなると,ビザが必要になってきます.(日本人がビザなしでシンガポールに滞在できるのは一般的(空路による入国)に30日間です.)

今回,僕が取得したのはWork Holiday Pass(以下WHP)というワーキングホリデー用(厳密には違うのですが)のビザです.詳しいことは他の方のブログや公式ホームページを参照してもらうとして,簡単に概要を言うと,これは18-25歳までの大学生・大学卒業生(四年制のみ)が取得可能なビザであり,ビザの発行後,6か月間シンガポールに滞在できることができます(延長不可).おそらくシンガポールでインターンをする大学生の大半はこのビザを取得することになるんじゃないかと思います.(他にもTraining Employment Pass(TEP)というビザがあるのですが,学生が最初にこのビザを取得するのはあまり一般的でないためここでは触れません.)(TEPについては結局インターンの更新時に取得しましたし,他にもこのビザでインターンをしている学生もいたので「一般的でない」というのは言いすぎでした.すみません.ただ、TEPの場合は基本的に受け入れ先が手続きを行うのであまり学生側が心配することはないです.)

このビザを申請するにあたって,事前にインターン先が決まっている必要はありません.もっと言うと,シンガポールにいる間は法に触れない限り基本的には何をしてもかまいません.インターンをするのはもちろん,語学学校に通ったり,ボランティアをしたり,それこそ何をしなくても大丈夫なんです.学生ビザだと語学学校へ90%以上の出席が求められるそうですが,WHPではそういった規定もありません.数あるビザの中でも,WHPはかなり柔軟性が高いビザと言えるでしょう.

なお,WHPは延長不可ではあるのですが,期限内に他のビザ(Training Employment Pass, Student Passなど)に切り替えることで,引き続き滞在することは可能です.
それでは実際の応募手順についてみていきます.

実際の応募―渡航前

応募資格

まずはホームページに記載の応募資格についてみてみましょう.

• You are aged 18 to 25.
• You are an undergraduate or graduate of a university in Australia, France, Germany, Hong Kong, Japan, New Zealand, Switzerland, United Kingdom or United States.
• Your university is recognised by the government of the respective nine countries or regions.
• For undergraduates: you have been a resident and a full-time student of the university for at least 3 months before applying for the pass.
• For graduates: you were a resident and a full-time student of the university.
Note: The Work Holiday Programme has a capacity of 2,000 applicants at any one time.

ここで注意すべき点は2点あります.

一つ目が,大学所在国の規定です.日本の大学に通う日本人の学生には問題ないのですが,もし日本人であっても,オーストラリア,フランス,ドイツ,香港,ニュージーランド,スイス,イギリス,アメリカ以外の国に正規学生として留学しているのであれば,残念ながらWHPに申請することはできません.逆に外国籍の学生であっても,上に挙げられた9か国のうちいずれかの大学に通っているのであれば,申請は可能です.

二つ目は,WHPの定員が同時期に2000名までという点です.
僕自身勘違いしていたのですが,これは「年間2000名まで」というわけではないんですね.そうじゃなく,「WHP保有者は一年中,どのタイミングをとっても2000名までしか出さない」ということであり,当然2000人の枠の中で入れ替わりはありますから,特定の一年間,例えば2017年1月1日から2017年12月31日までを切り取れば,その中でWHPを取得したことがある人というのは2000人を優に超えます.

じゃあ,気になってくるのが「実際,人がいっぱいで申請できないことはあるのか?」ということですが,これは起こり得ます.特に,海外の学生は夏場に長期インターンを行うことが一般的でありこの時期に応募者も集中するため,春先―夏場までの申請はできる限り避けたほうが無難かもしれません.(実際,2018年と2019年の7月はいっぱいで申請できませんでした.)

定員いっぱいになったときは,WHPのホームページにその旨が書かれた案内が上部に表示され,ビザ申請のページにはアクセスできなくなります.

定員が一杯の時はこのような黄色いバナーが表示される

準備するもの

応募資格について確認した後は,実際の申請に移っていきましょう.まずは準備です.

•在学証明書―実際には,A letter from the university stating your matriculation, name, nationality and date of birth.とのことだが,規定の情報がすべて含まれていなくとも,一般的な在学証明書で申請することは可能.
•パスポート-残り有効期間の規定は特になし
•学生証(在学生)―学生証に英文表示がない場合は国際学生証を発行して,それを使用することになる.国際学生証の初年度の年会費は無料,ただし作成までに約10営業日かかるそう
•卒業証明書又は成績証明書(卒業生のみ)
•学生ビザのコピー(所属大学の留学生のみ,一般的な,日本の大学に通う日本人学生には不要)

これらのデータをPDFかJPEGにして用意し,申請のページに必要事項を記入したうえで,添付することになります.この時点でお金を支払うことはありません.ちなみに,申請のページをどのように埋めたらいいかわからなければ,次の段落に載せている画像を参考にしてください.

なお,申請を通じて健康診断の結果を提出する必要はありません.

申請後

申請が完了すると下に載せたような書類が添付されたメールが届くはずです。(ちなみに、この記事内の書類のコピーは個人情報保護のために一部を編集してあります。)

申請してから約10日後にはホームページで自分の申請の状況を確認することができます.
そして,申請してから三週間程度たった頃に「Your application has been approved」というタイトルのメールが届けば,無事申請は受理されたということになります.

ここで一つ注意しないといけないことがあります.それは,このメールを受け取ってから約3か月の間に実際にシンガポールに渡航してビザの手続きを終えないといけないということです.オンライン申請から受理のメールが届くまでMinistry of Manpower(ビザの管轄官庁,以下MOM)は3週間と言っていますが,実際にはある程度の期間のずれというのはあるみたいなので,もしかしたら定められた期間のうちに渡航するのが厳しいこともあるかもしれません.

その場合は,ビザに関する問い合わせページからその旨を連絡すれば,期間の修正をしてもらうことも可能でした.(実際に僕は約20日延長してもらいました)

僕が受け取ったエクステンションレター.クリックで拡大表示されます

実際の応募―渡航後

準備するもの

•予約―当日でも大丈夫だが,時間帯によっては埋まっているところも(http://www.mom.gov.sg/eservices/services/make-an-appointment
•180S$―カードも可
•手続き書類―IPA LetterとDeclearation Formのことです.日本で印刷してくること.こちらのコンビニにはコピー機がないので印刷するのに苦労します.
•現地での連絡先―電話番号,住所(インターン先のものでも可)

シンガポールに到着後,Employment Pass Services Centre (EPSC) というところで実際の手続きをしなければなりません.
手続き自体は係の人の指示に従えば,すんなり進んでいきます.ここで顔写真と指紋を採取されます.全体の所要時間は待ち時間を含めても40分程度でした.

このセンターでの手続きが終了した時点で,WHPが発行され,この時点から6か月間シンガポールに滞在することが可能になります.(例えば,6月10日に申請しに行ったとすると,12月10日まで有効なビザが発行される)したがって,シンガポールに到着後すぐに申請しに行くのではなく,まずは住居やインターン先を見つけてから申請しに行く方がいいでしょう

なお,無事に手続きが終わった際に,その場で完了通知書が渡されるのですが,これはあくまで一時的なビザの書類であり,後日郵送または窓口で受け取るカードが正式なビザとなります.

実際に受け取った完了通知書のコピー。個人情報は黒塗りしてあります。

また,郵送でのカード受け取り時には本人確認としてパスポートを配達員に提示することが求められます.

WHPのキャンセル

帰国する際にも、しっかりMOMにWHPを返還しなければなりません。
このページを参照してキャンセルの予約をとって、またEPSCに行ってキャンセルする必要があります。

EPSCの予約が完了したときに送られる書類

EPSCでキャンセル手続きが完了すれば Short Term Visit Passという30日間シンガポールに滞在できるパス(1枚の紙)をもらうことができます。この書類は出国時の税関で渡す必要があるのでなくさないようにしましょう。以上が、だいたいの帰国時の流れです。少なくとも、パスの取得&入国よりはスムーズにいくのであまり心配する必要はないでしょう。

なお、再びWHPに申し込みたい場合は、キャンセルまたは失効した日付より12か月経過した時点まで待たなければいけないようです。

最後に

ここまでいろいろ説明してきましたが,シンガポールのビザは他の国に比べるとかなり楽に取れます.
ヨーロッパや北米と比較しても,非常に英語,生活環境,費用の面でのハードルが低いので海外に行ったことのない人でもなじみやすい環境であると思います.(ちなみに,インターンをする場合,報酬には税金はかかりません.どれだけ稼いでも額面給与がそのまま本人の手取りとなるのも,シンガポールに来るメリットの一つでしょう.)

また,滞在期間については,ビザの最長期間が6か月であるだけであって,当然1,2か月程度の短期滞在でも全然問題はないです.ですから,ちょっと海外の雰囲気を味わいたいだけの人にもシンガポールはおすすめです.(ただ,これくらいの期間だと手頃な滞在先をみつけるのが難しくなってはきますが…)

(2018年8月1日 一部修正)
(2019年7月5日 一部修正)

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